巻きと押しとは?進行が予定より早い・遅い状態のこと
「ちょっと押してます」とインカムに流れてヒヤッとする日に
本番中、トークが延びたり転換が一拍待ったりして、予定の時間からじわじわずれていく。「このままで終演に間に合うのか」と焦った経験はありませんか。その「ずれ」を表す現場の言葉が、巻きと押しです。
巻きと押しとは?ひとことで言うと
押し(おし)は、進行が予定より遅れている状態。巻き(まき)は、進行が予定より早く進んでいる状態のことです。インカムで「押してます」「少し巻きで」と使われます。ざっくり言うと、香盤表の時間に対して「遅れ気味か、前倒し気味か」を一言で共有するための言葉です。

イベント現場ではどこで使う?
巻きと押しは、本番中の進行管理でいちばん飛び交う言葉です。進行担当が「今◯分押し」と全体に共有し、司会は尺を縮めたり、転換を急いだりして調整します。「巻いて」と言えば「少しテンポを上げて」、「押してるので巻きで」と言えば「遅れているから取り戻して」という意味になります。
なぜ大事なのか
巻きと押しを共有できると、ずれに早く気づいて、小さいうちに取り戻せます。終演時刻や、後ろに控える予定(撤収・退館)から逆算して、「あと何分まで許容できるか」を全員で持てるようになります。逆に共有が遅れると、気づいたときには取り返せないほど押している、ということが起きます。
具体例で見る
たとえば第1部のトークが5分延びると「5分押し」。次の幕間に余白(バッファ)を1分しか置いていなければ、4分の押しが後ろへ残ります。そこで司会が休憩明けのアナウンスを短くし、転換を急いで2分巻ければ、残りは2分押し。これを終演まで少しずつ吸収していきます。各セクションの最後に数分のバッファを置いておくと、この調整がぐっと楽になります。
つまり現場では?
巻きと押しを管理するということは、香盤表の時間と実際の進行のずれを、本番中ずっと見比べて微調整し続けることです。当日のディレクターの仕事の、かなりの部分がこれです。
知らないとどう困る?
巻き・押しの感覚がないと、ずれを誰も口に出さないまま進行し、終盤で一気に時間が足りなくなります。終演が延びれば、撤収や退館の時間にも響きます。逆に巻きすぎて予定より早く終わると、来場者を待たせたり、間延びした印象を与えたりすることもあります。
よくある勘違い
- 「巻き」を「急いで雑にやる」と捉えると、進行が荒れます。巻きは、削れる尺(アナウンスや幕間)から落ち着いて詰めるのが基本です。
- 押しは段取りの失敗ではありません。本番では小さな遅れが必ず出るもの。だからこそ、最初からバッファを織り込んでおくのが現場の知恵です。
明日やるならこれ
次の香盤表で、各セクションの最後に「30秒〜数分の余白」の行を1つずつ足してみましょう。押しても次で吸収できる余地が見えるだけで、本番の焦りが減り、巻き・押しの判断が落ち着いてできるようになります。
ひとことで言うと
巻きと押しとは、予定より「早い・遅い」を一言で共有する、進行管理の合図です。





